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2006.07.28

クラウド・コレクター―雲をつかむような話

最近は電車の中でも居眠りばかりなのですが、久しぶりに心洗われる作品に出会いました。ここ何日かは、眠らないで本を読んでいました。とりあえずきっかけが普通の人では有り得ないようなきっかけでこの本に出会いました。ファイナルスウィッチでの手順を考えていた頃、色々ドラゴンボールについての疑問がふつふつと沸いてきて、筋斗雲って雲のマシンじゃないよなって疑問をネットで調べていたら、何故かこの本がひっかかりました。で名前に惹かれてどんなんだろうと興味を持ったら、何にも判らないまま購入していました。

クラフト・エヴィング商會著の「クラウド・コレクター―雲をつかむような話」です。とにかく著者名から、既にもう判らない状態だったのですが、レビューを読んでみると、これは読まなきゃという感じになってしまいました。とりあえずここまで言うのであれば、つまらないこともないかなと。

ネタバレしない程度に簡単に話の内容を書くと、クラフト・エヴィング商會でみつかった旅行鞄の中に、祖父の手帳と大小様々な壜がみつかります。その手帳には、とある国「アゾット」での旅行記が書いてあり、さらに雲を売ろうとしていたことを知ります。その手帳の内容を発見者が色々と解読していくお話です。このアゾットという国は、ありそうでもあり、また無さそうでもある不思議な国。旅行記の主人公はそこに住む不思議な人々と不思議な会話などを行って、ある目的に辿り着こうとします。

手帳の中にはスケッチやら、アゾットの小道具などがバンバン登場するのですが、それが本の中に美しい写真と共に紹介されているのです。まずここに驚愕。この辺は人によっては、想像して楽しみたい人もいるとは思うのですが、この小道具の作り込みが半端な完成度ではないのです。とりあえずこの写真を見ているだけでも楽しい。そしてその小道具が確かに存在するという事実が、この本にリアリティを与えます。そして緻密に構成されたアゾットという世界に驚愕し、さらに普段「あたりまえ」と考えている事象に焦点を当て、新たな解釈を読み手に示します。この解釈がまた素敵過ぎて、その解釈には素直に感動を覚えました。あたりまえ過ぎて見えなくて、あたりまえ過ぎて判らないことってたくさんあるのだなと。どれか本の一節を取り上げてみようかとも思ったのですが、どのエピソードも素敵なので、どれを選んで良いのかも判りません。さらに言えば、ここに書くのも野暮ってものです。

ジャンルは、ミステリーとかファンタジーとかそんなものでもないのです。なかなか一言で表すのは難しいです。素直に新しいと思えるような感じです。とりあえず本の中には、驚くほどに謎がちりばめられています。かなり緻密に考え、そしてまた一冊の本を作り上げるのに、相当な時間をかけたなぁと思わせます。実際には相当時間もかかったのでしょう。最後の最後での謎解きは圧巻の一言。あんな何気ない台詞にまで、そんな謎が潜んでいたの?とかなり驚いてしまいました。それは声が出るくらい。後半の方は、全部の言葉が伏線に見えてくるくらい、懐疑的になって読んでいたり。これは近いうちにもう一回読んで、納得したいような本です。

というわけでクラフト・エヴィング商會の本は買える限り読んでみようと思っています。このクラウド・コレクターは文庫版も読む用に購入したい。まぁハードカバーが手に入るなら保存用に確保しておきたいくらいです。また、この本にまつわる本も出ているそうなので、周辺の本はとにかく無性に読みたくなっています。とりあえずお奨めです。本屋ももっと判りやすい場所に置いてくれると嬉しいです。さらにたくさんの種類を置いてくれると、もっと嬉しいです。

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コメント

ステキなレビューありがと~。
HIGEさんのコメント読んで楽天で注文しますた(`・ω・´)!!(アマゾンにあらずw)

投稿: にゃふー | 2006.07.29 02:17

にゃふーさんどうも。
少しでもこの本の素敵なところが伝われば良いなぁと書いてみました。全然書けてないけど…。
にゃふーさんにとってもお気に入りの本になってくれると嬉しいです。

投稿: HIGE | 2006.07.29 03:43

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