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2006.06.28

ファイナルスウィッチへの道

ファイナルスウィッチにて行った「Dragon Ballissimo(仮称)」なんですが、様々な方からお褒めいただき、ありがとうございます。あまり褒められ慣れていないので、軽く流しているように見えるかもしれませんが、私は照れまくりでした。さらに言うとあれは元々Ballissimoというマジックが優れているのです。ぼーっと見ていても判り易い現象が次々と立て続けに起きるので楽しい。

さて、ここでファイナルスウィッチまでの私のマジックの選択と演出(というほでもありませんが)などを綴ってみようかと思います。くだらないかと思いますので、読み飛ばしてもらって構いません。今までの読んでも判らない日記の部分の集大成だと思っていただければ、何となく判るかな?

実際に最後まで書いてみて、こんな裏の事情を書くのは粋ではないと思いました。努力の跡を見せるのは格好悪い。かなり公開するかを迷いましたが、とりあえずアップ。こんなこと書いて良いのかなと思った次第。基本的にファイナルスウィッチで演技を観ていない人は読まない方が良いかもしれません。おそらく読んでも楽しくないでしょう。再演を観た後に読んだ方が良いと思います。しかも長いし…。

とりあえず発表会に参加することは、結構前からこっそり聞いていたので、決定していました。但し漠然と出るかなぁと思う程度で、何にも考えていません。その間にマジックスウィッチ用の宿題を淡々とこなしていたり。そして、いざ告知されてから、どうしようかなぁと考える日々がしばらく続きます。そしてたまたま購入したDVDの中にBallissimoがあったので、面白いなぁと眺めていました。そして、こっそりと立てた年始の誓いを思い出しました。ここには書けませんが、今回使用したある道具を使うことです。それにボールを使用したマジックって発表会にぴったりじゃないかと。何をやるのかが大体決定したのが、6月5日あたり。

そして、演目が決まってからは手順を覚える日々。とりあえず一通りできるようになってから、参加を申し込もうと。先に演目を決めてのエントリーなので、若干時間がかかったりしました。ある道具は、以前購入済みの型紙があったので、自分で作成しようかと試みるが、衣装が痛むと嫌なので、やめておくことにしました。どうせ上手くできないだろうし。近くに洋服の仕立て屋があるので、そこに衣装と型紙を持ち込んで、どうにかしてもらおうとかも考えていました。そして追加で道具を注文したのが、6月6日あたり。で練習自体も、出来る部分だけではありますが、この頃から本格的に衣装を着ながらやっていました。ついでにBallissimoが出来なかった場合の保険として、Balls & Netの練習もちょこっと始めています。

でさらに問題なのがメインで使うボール。DVDに映っているような質感の道具が欲しくてなりません。一応去年に3ボールトリック用に購入したボールが大量に余っていたので、それを使用しての練習ですが、若干やりづらさを感じつつも練習していました。さらにクライマックス用のアクリルボール、ホルダーなど色々足りない物があることに気が付き、追加で注文したり、実際にお店に行って探したり。でも実際にお店で購入した物で今回使用したのはほとんどありませんでした。

さらにさらにサプライズ企画の打ち合わせや、写真撮影なども同時進行で裏でこそーっとこなしていました。

warehouseにて注文したものが届いたのが、6月11日あたり。これでようやくフルルーティンで練習することができるようになりました。頼んだ道具は、着脱可能なので、これでやることに決定です。そしてこの日にBallissimoをやることを決めてエントリー。ここからの練習はこれ一本となります。この頃は、ボールの大きさに少し悩んでいる時期でした。38mmと45mmの大きさのボールが家の中にあったのですが、45mmはかなり大きめでしたので、38mmをメインに練習です。とりあえず一通り、バニッシュができるようになるのが目的です。今まで使用したことないので、慣れるまで大変でした。直前の練習でもポロリとしていましたくらいですから。

そろそろ演出も考えなければいけないなぁと思っているのが6月15日あたり。DVDを観ながら練習をすると、どうしてもコピーっぽくなってしまうのですが、完全コピーできるのであれば問題ないのですが、この程度の練習では到底無理。なので、上手く出来ない部分は、少し簡略化したり、飛ばしたり。でボールを使用するなら、ドラゴンボールです。たまたま家の中に大量の星入りのスーパーボールがあるので、これを使いたいと思ったのが、6月18日あたりでしょうか。

ストーリー(というほど大げさではないのですが)を考えていて、ドラゴンレーダー型の小物があると面白いなぁと。で急遽ドラゴンレーダー型のタイマーがどこかに売っていないかを探すのですが、さすがにそんなに都合の良い物があるはずもなく。これは、6個集めてきたって設定で、タイマーで5分後にセットして、マジックで最後の一個を、タイマーの音と共に出現させて、それで願いが叶えるみたいな感じです。これはちょっとやりたかったのですが、とにかく時間も無いし、電子工作は全く出来ないので断念。それならば、最後の一個だけをマジックで変化させ、願いを叶えるってのも良いかなぁと。この辺でようやく演出の骨子が固まりました。だいたい6月19日とか20日あたり。もう既に一週間を切っている時点で決定しています。

6月20日に急遽思い立って、やっぱりボールは買おうという結論になり、本当に緊急にボールを通販で購入することに。もし本番までに届かなかったら意味ないので、代引きやクレジットカードでの注文になりました。染めるために安めのアクリルボールも一緒に注文です。

そして、6月21日の日記にドラゴンボールっぽい写真を掲載して、伏線を張ります。たいした伏線でもないですが。この頃からロス式練習法として、本番で簡単な38mmを使用するという前提で、練習用は45mmを使用します。ボールが大きいと色々難易度が上がるので、本番では難易度を下げようという意図での練習です。やはり大きいボールで練習してから、小さいのに変更すると、スパスパと技法が決まります。これは気持ち良い。しかし、会場の大きさを把握していないので、38mmで後ろの方から見えるのかという疑問も新たに沸いてきます。この辺は失敗しないことを取るか、それとも見映えを取って失敗するかを非常に悩みました。いや、見映えを取るために、失敗しないように練習しろよってのは、この時点では考えられず。

スーパーボールのみ6月22日に受け取ることが出来、早速これを使っての練習を開始。6月24日にボールの色を4回変化させることを思いつく。DVDでは3色までです。さらに2個に分裂する理由が判らないので、ここはどうしても変更したかった部分なので、やってみる。衣装が赤なので、赤系の色だと衣装の色に埋もれて本当に見えなくなってしまうので、今までは黄、青、緑でやっていたのですが、ドラゴンボールっぽさを出すために、オレンジ色を取り入れました。オレンジはとりあえず、身体の正面の赤くない部分なら十分見えるので、この日に採用しました。当日は中に黒を着る予定なので、逆にオレンジは映える色になりました。

Ballissimoだと最終的にアクリルボールになるのですが、家の中にたまたまあったゲームの予約特典の四星球と五星球があったので、私も最終的にこれに変化させる予定でした。途中でオレンジのボールの色が抜けて透明になったという設定で、オレンジに染めたアクリルボールを出し、最後にボールの中に星が出来て、それが本物って感じにするつもりでした。さらに変化させるために、緑のシルクを出して、神龍だと言い張るつもりでした。がしかしこの辺は個人的に微妙だし、説得力が全然ないので、どうしようか本当に本番ギリギリまで迷った部分です。

そして本番前日の6月25日に頼んでおいたアクリルボールが届き、これを早速オレンジ色に染め上げました。そしていざ使用してみると、重くて滑って、結局使いこなすことが出来ませんでした。ポロリどころかゴトリです。不採用。この日は色々と練習以外のことをやっていました。前日なのに。サプライズ企画用の「と」を作成したのもこの日でした。人前に立つ身だしなみを整えてから、夜になってから練習開始して、結局3時過ぎまでやっていたのですが、納得いく演技が一度も出来ないまま当日を向かえることになりました。緊張と不安で3時間ほどしか眠れませんでした。

でこの眠れない時間に、急遽くだらないことを思いつきます。当然出来ないのですが、本当にくだらないので、少しやりたかったなぁと。ドラゴンボール本編で、初めて7つ集まった時の願いが「ギャルのパンティおくれ」だったので、緑のシルクを神龍だと言い張って、私が先の台詞を叫ぶとシルクの間からパンティが現れる、という。いや、これは実際にやらないで良かったし、やれなくて良かったです。

当日は、かなり安全策とも取れる方法を使用していたので、カメラで撮っていた自分の演技を観るのが怖いです。また、時間がかなり押していたので、最後の最後の変化はカット致しました。終了後、色々な方に意見を伺ったところ、最後をカットして正解だったようです。確かに矛盾している部分だし、意味が判らなくなり、観ている人は混乱しそうな感じでした。

このマジックは、最後にお願い事を言って終了します。「マジックスウィッチがもう少し続きますように」という願いは叶えられてしまったので、ドラゴンボールは石のようになって、地球上のあちらこちらに飛び散っていきました。これではもうこのマジックは出来なくなりました。

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コメント

せっかく演技について書いていらっしゃるので、演技についての感想を書かせてもらいます。舞台袖から作業をしながら見ていたので、的を射ていない指摘も含まれるかもしれませんが、ご容赦ください。

ご本人はあまり自覚なさっていないかもしれませんが、HIGEさんのマジックのいちばんの魅力は、演者のキャラクターの魅力だと思います。
マジックへの愛情と道具への愛情が強く感じられること、それから自分が愛するものを他の人にも気に入って欲しいという気持ちが感じられ、それがマジックを演じることへの説得力になっていると思います。
今回の演技も、その魅力が十分に活かされた演技で、楽しく見ることができました。

演出は意図が明確で、オチもひとつの大きな区切りとなるお祭り的な雰囲気にピッタリの内容で、とても粋だったと思います。

と、ほめてばかりいても身内びいきっぽくなっちゃうので、マイナスの側面も少し。

ボールの色が変わる現象を4回近く繰り返していたと思いますが、もう少し短くまとめたほうが良かったのではないかと思います。繰り返しを面白く見せられるほどスライハンドがこなれているわけでもないですし、変化させる技法の基本原理は毎回同じだったと思うので、不思議さも減ってしまうのではないかと思います。できれば途中に普通の四つ球で使うギミックを使うなどして、色の変化を実現すると、見た目にも少し変化がついて、不思議さも増やせたのではないでしょうか。

ドラゴンボールという設定は会場にいた多くの人が理解できるとは思うのですが、知らない人がいることも想定はしておくべきだと思います。7つ揃うと願いがかなう、といった前提知識がないとオチの効果を損ねると思うからです。その意味では「ギャルのパンティー」などの演出を取り入れなかったのは正解だとも思います。そこまでの前提知識をセリフだけで短時間で共有することはとても難しいと思うからです。

ゴチャゴチャ言いましたが、一言で言うと楽しいマジックでした。
第二期のファイナルスウィッチでもHIGEさんの楽しいマジックが見たいです!気が早い!?

投稿: こりん | 2006.06.28 03:23

現象がわかりやすく,ドラゴンボールの演技としてきちんと印象に残りました。
もっと良い演技にできる可能性はいろいろあると思いますが,演技を見てお話を読ませていただきますと,現段階でのベスト以上の力を発揮されたと思います。おつかれさまでした(^-^)/

投稿: M.Ito | 2006.06.28 07:54

ぎりぎりまで改良を考えていたんですね。
失敗した場合等も考えていらしたとは、大変恐れ入ります(自分が恥ずかしい・・・)。

現象が色の変化に絞られていたので、サロンにぴったりの素晴らしいマジックだったと思います。
数回の変化も、綺麗に現象が成功していたので素直に驚きました。私の見た限りチラリも見えませんでした。
気になったのは右手に処理の時だけ緊張が見れた事だけですが、マニア目線だからだと思います。
石になっても1年後に見れますよね、ぜひまたお願いします。

投稿: つちのこ | 2006.06.28 22:54

こりんさんどうも。
長文での書き込みありがとうございます。あんまり良い部分のみ書かれても困ってしまうので、素直に悪い部分の書き込みはありがたいです。まぁ技術的な部分が駄目なのは自覚していますが。
色の変化にも言及していますが、ほぼ基本的に原作の通りに演じています。その先の事まで考える時間がありませんでした。誰かに一度でも観てもらえば、もう少し何とかなったのかなぁとおもったりしました。

M.Itoさんどうも。
少しでも印象に残ってもらえたら、嬉しいです。ベスト以上の演技が出来たのかは、よく判りませんが、今後も精進していきたいと思っています。

つちのこさんどうも。
こんな裏話を書くのもどうかと思ったのですが。あんまり練習していないのが、バレバレですね。
つちのこさんの演技はとても安定していて、良かったと思っています。
おそらく右手の緊張は、マニア以外の人の方が察知してしまう部分かなぁとも思います。この部分はどうしても間に合いませんでした。

投稿: HIGE | 2006.06.29 01:14

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